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少し遠出をしようか~と 地蔵平へ行ってみた








こういう景色を眺めると

「なめとこ山の熊のことならおもしろい。」

で始まる 宮沢賢治の『なめとこ山の熊』の中の ある情景を思い浮かべてしまう。

それは、向こうの谷に見える ひきざくらの花をめぐっての
母熊と子熊のユーモラスな情感あふれるやりとりで、大好きな場面だ。

こんなに美しい表現ができる宮沢賢治はもちろん素晴らしいけれど、
この作品をはじめ、いろいろな文学作品から
【ことばの吟味を通して心を深く読む】ということを教えてくださった恩師との出会いは
私にとって本当に貴重だったなぁと、今もしみじみ思うのだ・・・・


                   ※ 記事の最後に、好きな場面を掲載しましたので よろしければご一読ください





2012.4.25つっちーさんと地蔵平(大)




2012年4月25日 曇りのちガス
メ ン バー: つっちーさん、はっぴー
コ ー ス : 一茶の先に駐車―大室生神社―二本杉峠―清水沢(大杉歩道)右岸尾根―大杉歩道― 千鳥橋
         ―大又沢林道―地蔵平―屏風岩山西尾根―登山道合流―二本杉峠―大室生神社―駐車地
                                               (行動時間:およそ7時間20分)
 
                 ※ コースは上図参照:地形図が読めコンパスが使えることが最低条件




つっちーさんが「少し遠くでも大丈夫」というので、
二本杉峠から、イガイガさんが下った清水沢(大杉歩道)右岸尾根で、
大杉歩道の途中に出て、春の地蔵平へ行ってみようということになった。

今日はこの部分と、昨秋 歩いた屏風岩山西尾根がメインで、
下山路は笹子沢左岸尾根を下るか、登山道で二本杉峠に戻るか、
その場の状況で相談して決めよう。

喫茶「一茶」の先に駐車して、少し戻って大室生神社の前を通って二本杉峠へ。
途中、一ヶ所崩落していたが、トラロープが2本張ってあるので問題はない。
新緑を眺めたり、花を見つけたりしながら、のんびり歩く。

峠から、昨年の12月に歩いた道志歩道(さかせ古道)に入り、下る尾根を探しながら行く。
清水沢右岸尾根は、一番危険な崩落箇所の少し手前で南西方向に派生する大きな尾根だった。



▼ まぁ、なんと立派な“ロード”だろう!地図とコンパスで確認してから、ここを入った




▼ 尾根を下りながら右側(北)を見る




▼ とても良い尾根だったので二人で感激した。大杉歩道より はるかに歩きやすいし気持ちが良い




▼ 下に大杉歩道が近づくと、手入れされた植林になった。歩道を10分弱歩いて千鳥橋に出た




▼ 小石がゴロゴロ落ちている新緑の美しい大又沢林道を、てくてく40分ほど行けば地蔵平だ




▼ お地蔵様の周りは春っぽくなっていたけれど・・・・




▼ ムム~地蔵平はぜんぜん春っぽくないや。ガッカリ! 正面チョコッは大界木山




期待はずれだったけど、ここでランチ~
だんだんお天気が悪くなってきているので、せっせと食べて登りにかかることにした。

つっちーさんは今年の1月に、920mで合流する もう一つ北側の尾根を下ったそうだ。



▼ 最初は植林の急登。そこをガマンで登れば展望が開け、富士見橋や富士見峠方面に続く尾根が見える




「たくさん人が歩いている登山道なんかにはダニはいないらしいよ」とつっちーさんが言う。
確かにそうかもしれないな~、と思った。

ならば、Vルートを歩いているのだからダニは仕方ない、覚悟しなくちゃ
と悟ったやさき、前を歩いているつっちーさんのズボンに見事なジャンプで
跳び付くダニを見てしまった!
ありゃー35センチは跳んだね。

えええーーー!!!ダニって こんなに跳ぶんかい!?!?!?
今まで相手を見くびっていた?私は ひるんでしまい、一気にテンションが下がった。
(ヒルよりダニがヤダー!!)

以後、それまでより ひんぱんにダニ払いを繰り返しながら進んだのは言うまでもないけど、
相手もかなり しつこくまとわりついてきたので、壮絶なバトルとなったのだった。

ダニって良いたとえに使われないのが分かる気がするなぁ・・・・



▼ 自然林の感じの良い尾根なんだけど、ここはダニがいっぱいだー




▼ シルエット・ブナ




▼ くねっているので長い尾根を、ようやくクリアーして登山道に出るころは かなりガスッてきた




このガスだし、もうミツマタにも遅い時期なので、今日はおとなしく登山道で二本杉峠に出、
大室生神社に戻った。登山道に出たら、不思議とダニがいなくなった気がした。気のせいだろか?
「一茶]は定休日でコーヒータイムならず、残念!



▼ またも途中でかわいそうな木を発見。なにも こんな目印しなくても・・・・





≪ 本日の嬉しい出会い ≫ 


▼ スミレ。このふつー(?)のスミレがけっこう好きなんだ




▼ イワボタン




▼ ミツバコンロンソウ。葉がかなり食べられていた




▼ 何かの木の芽がいっぱい顔を出していた。可愛いな~




▼ フデリンドウをアメと比べてみた




▼ ケマルバスミレ




▼ キランソウ




▼ ミヤマハコベはよく見るとかわいい花だね




▼ アカネスミレ? オカスミレ? 迷ったけれど、ええい!茎に毛がチョコッと見えるからアカネスミレでいこう




▼ エイザンスミレは まだ開店前の準備中




▼ 菌類?赤がきれいだったのでパチリ。でもシミジミ見ると気持ち良くないな




▼ 小さなブナの発芽。厳しい自然に負けず、大きく育ってほしい







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『なめとこ山の熊』( 宮沢賢治 著 )より抜粋    (注)小十郎は熊捕りの名人です


小十郎はもう熊のことばだってわかるような気がした。ある年の春はやく山の木がまだ一本も青くならないころ小

十郎は犬を連れて白沢をずうっとのぼった。夕方になって小十郎はばっかぃ沢へこえる峯(みね)になった処(と

ころ)へ去年の夏こさえた笹小屋(ささごや)へ泊ろうと思ってそこへのぼって行った。そしたらどういう加減か

小十郎の柄にもなく登り口をまちがってしまった。

 なんべんも谷へ降りてまた登り直して犬もへとへとにつかれ小十郎も口を横にまげて息をしながら半分くずれか

かった去年の小屋を見つけた。小十郎がすぐ下に湧水(わきみず)のあったのを思い出して少し山を降りかけたら

愕(おどろ)いたことは母親とやっと一歳になるかならないような子熊と二疋(ひき)ちょうど人が額に手をあて

て遠くを眺(なが)めるといったふうに淡い六日の月光の中を向うの谷をしげしげ見つめているのにあった。小十

郎はまるでその二疋の熊のからだから後光が射すように思えてまるで釘付(くぎづ)けになったように立ちどまっ

てそっちを見つめていた。すると小熊が甘えるように言ったのだ。

「どうしても雪だよ、おっかさん谷のこっち側だけ白くなっているんだもの。どうしても雪だよ。おっかさん」

 すると母親の熊はまだしげしげ見つめていたがやっと言った。

「雪でないよ、あすこへだけ降るはずがないんだもの」

 子熊はまた言った。

「だから溶けないで残ったのでしょう」

「いいえ、おっかさんはあざみの芽を見に昨日あすこを通ったばかりです」

 小十郎もじっとそっちを見た。

 月の光が青じろく山の斜面を滑っていた。そこがちょうど銀の鎧(よろい)のように光っているのだった。しば

らくたって子熊が言った。

「雪でなけぁ霜だねえ。きっとそうだ」

 ほんとうに今夜は霜が降るぞ、お月さまの近くで胃(コキエ)もあんなに青くふるえているし第一お月さまのい

ろだってまるで氷のようだ、小十郎がひとりで思った。

「おかあさまはわかったよ、あれねえ、ひきざくらの花」

「なぁんだ、ひきざくらの花だい。僕知ってるよ」

「いいえ、お前まだ見たことありません」

「知ってるよ、僕この前とって来たもの」

「いいえ、あれひきざくらでありません、お前とって来たのきささげの花でしょう」

「そうだろうか」子熊はとぼけたように答えました。小十郎はなぜかもう胸がいっぱいになってもう一ぺん向うの

谷の白い雪のような花と余念なく月光をあびて立っている母子の熊をちらっと見てそれから音をたてないようにこ

っそりこっそり戻りはじめた。風があっちへ行くな行くなと思いながらそろそろと小十郎は後退(あとずさ)りし

た。くろもじの木の匂(におい)が月のあかりといっしょにすうっとさした。



全文ご覧になりたい方は こちらをどうぞ
なめとこ山の熊







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Comments: 2

レガー URL 2012-05-09 Wed 22:58:45

曇り空の地蔵平、珍しく感じます。
たいがい真っ青な青空写真が多いですよね。
ミヤマハコベはウサギさん。
仲ノ沢経路でも見つけたような気がします(^^)
そろそろ世附も開拓せねばと思っています。
崩れる前の山神様、見たかったですよ。

はっぴー URL 2012-05-10 Thu 09:08:11

レガ―さん

地蔵平はやっぱりイキイキした青空がいいですね。
曇り空だと長居は無用になります(笑)

ホント、ミヤマハコベはウサギの耳、だから可愛いんですねー
どこにでもあるので、ついスル―してしまいますけど。

山神様、以前も受難にあわれていた気がしますが、
M-Kさんが撮られた写真を拝見すると、今回の方がひどいかな
と思います。

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