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八菅修験春の峰 第2行所 「幣山」へ


▲ 中津川の土手から対岸の こんもりした「幣山」を眺める(中央)

             

今年1月16日にシモバシラを探しに行った時、
「丹沢山塊東辺のみち」 という看板に『山岳修験者のはなし』があった。
その中に「幣山」という地名があり、印象に残った。

また、1月22日に八菅神社に行った時、八菅山の説明の中にもこの地名があり、
なんと上荻野バス停に向かう途中で大発見!ここに行く道を見つけたのだった。

残念ながら、この時は途中で引き返したが、そのうち行ってみたいな~と思っていたので
この時 一緒だったRさんに今回も同行していただき、探索に向かった。


     ※ 城川隆生著「丹沢の行者道を歩く」―八菅修験の行者道①―(P.73)
       によれば、八菅には春の峰と秋の峰があったが、秋の峰は江戸時代初めに
       断絶したと伝わっているそうだ。
      
     ※ 最後に、勝楽寺春の例大祭の説明板と堰堤の写真を追加(3月16日)

  


幣山1




2012年3月3日 曇りのち晴れ
メ ン バー: Rさん、はっぴー
コ ー ス : 半僧坊前バス停―田代半僧坊―海底(おぞこ)集落―打越峠―P221m―
        幣山集落分岐(403号鉄塔)―P225.7mピストン―幣山集落分岐―
        幣山集落―第2行所幣山(石神社)―角田(すみだ)大橋―中津川右岸川原―
        角田バス                          (行動時間:5時間30分)
 
              ※ コースは上図参照:地形図が読めコンパスが使えることが最低条件




本厚木から乗った半原行きのバスを「半僧坊前」で降りた。

ここは平山集落で、道路から少し入った所に、
「田代半僧坊」と呼ばれている「勝楽寺」という
曹洞宗の大きなお寺があるので見学して行くことに。

さすが禅宗のお寺だけあって、質実剛健という雰囲気だ。
歴代の住職には名僧が多く、良寛さまの師である「国仙禅師」もそうだったとのことだ。

それから、境内の説明にはなかったけれど、
なぜか「葵の御紋」が門やいろいろな所に付けられている。




▼ 「田代半僧坊」というのは聞いたことがあった。何だろうと思っていたけれど、お寺だったの!




▼ 落ち着いた荘厳な雰囲気だ。シブイなぁ




▼ 右側に たくさんの馬頭観音があった




▼ 二枚目の写真の山門に近づくと圧倒される。この山門は、親子二代で21年かけて作ったものだそう




▼ ご本殿。さすが名刹と言われるだけあって品格が感じられる




▼ 遠州(静岡県)奥山方廣寺(ほうこうじ)から勧請した半僧坊大権現が祀られているそうだ




さて、ここから中津川の左岸にある海底(おぞこ)まで行き、
集落のまん中あたりから南側の丸山集落へ。
そこからP221m経由で幣山集落へ行くことにする。
このルートは昔の「丹沢」のガイドブックに出ているそうで、
私が愛用している電子国土の地形図にも黒実線で記載されている。

では、まず海底集落へ。この地名も前から気になっていた。



▼ 立派なお家に祀られているのを見ると、地域で大切にされているんだなと感じる




▼ こういうのは懐かしい~!昔、山の帰りに水原弘の看板は良く見かけたけど、これは「なべおさみ」だ~




この辺り、現在の所番地は海底ではない。
「海底」という表記が残っているのは限られた所だけのようだ

地図を見ながら、丸山集落に続く道の入口を探して奥へ進む。
何本か入る道があり、どれが正解か分からないので、
P221mから北西に派生している尾根のそばまで行って、
一本づつ検証しながら来た方向に戻ることにした。

一本目を進んで行くと、ゆるく右に曲がった先方に、神社の鳥居が見えた。
道なりに行ってみると道を挟んだ向かいに「馬坂」の石柱もあり、
そばには大正八年と刻まれた馬頭観世音と石仏が数体 祀られていた。



▼ 一本目の道を辿って行くと、地図にはない「金比羅神社」と「馬坂」の石柱があり、道が奥に登っていた




▼ 石柱の右には、大正八年の「馬頭観世音」があった




道が集落の方にも ゆるく下り気味に続いていたので、
まず、集落のどこに続くのか確かめに行くにした。

平山から歩いて来たメインストリートからは見えない、少しこちらの方に入った所に
「日月神社」があった。これが地図に載っている神社のようだった。



▼ 「日月神社」正面。きれいにお掃除がされている。正面左側に、たくさんの石仏や石碑?が並んでいた




そして、ついさっき、入口候補の一つとして通過した所に出たので、
金比羅神社まで戻り、今度は神社の横を通り、馬坂を上がって行く。
ゆるやかで道幅が広く馬も歩きやすそうな坂道だった。



▼ 馬坂は風情の感じられる道だった(振り返って撮影)




ほどなく左手が広々と開けた台地状の場所に出た。雪がまだらに残っている。
右手の木には、厚木市による「イノシシに注意」という看板が付けられていて、
その少し先に石柱があった。

「打越峠」という峠名と下記の文が刻まれていたが、
峠という地形には見えないので不思議な感じだった。

『 荻野の最北端であり、愛川町角田の海底地区に通ずる古い道で、
  途中には天狗が出たと伝えられる「逢わずの森」がある 』



▼ 正面に石柱が建っていたので近づいてみると「打越峠」と刻まれていた(昭和63年2月厚木市設置)




▼ ちょっとウロウロしたあと(笑)丸山集落に出た




きれいな舗装道路を進み、尾根を一つ回り込み再び林に戻るような形で奥に進んで行くと 
すぐにゲートがあり「立入禁止」の表示だが、奥に道が続いているので、
戻ることも有りで入ってみることにした。

木とササが盛大に行く手を塞いでいたので、これを左から巻くと、
その後すぐゴルフ場に突き当たった。
境界のネットの外側に細く踏み跡が続いていたので、これを辿って行く。

どうやら この地図に記載されているハイキング道は、
ゴルフ場が作られたことにより、歩けるような状態ではなくなったようだった。

広い舗装道路を南東に向かって歩いて、途中でひと休み。
その先でタチツボスミレ発見!
春だ~気持ちがうきうきしてくる。



▼ 地図に記載されているハイキング道が、ゴルフ場のネット沿いに続いていた(振り返って撮影)




▼ P221mを少し過ぎた所から歩いてきた道を振り返ると、こんなヤブに近い感じ




▼ 今年初のタチツボスミレ。たくさん咲いてくると見向きもしないのにね(笑)




少し行くと、右手に403号鉄塔、左手に幣山入口の道標が現れるが、
まずP225.7mと登尾入口の奥を確認することにして、先に進む。



▼ 左側がP225.7mに続く道




▼ そして四等三角点があった




▼ 一度ハイキング道に戻った先に、前回気になった この入口。今日は入ってみる




導かれるまま踏み跡を辿って行くと突然目の前が開け見通しが良くなったのでビックリした。
かなり木が切られていて、代わりに桜の苗木が植栽されている。
ここをお花見処にするつもりかな。
先に尾根が続いているので、中津川に下って行かれそうだった。
ちょっと行ってみたいけど、今日は幣山集落に下るのだ。おとなしく引き返した。

そして、ここからが今日のメイン。うれしいな~



▼ では、いざ幣山へ!




▼ 道がたはハッキリ付いているし、テープもけっこうあるので迷うことはない




▼ こんなのがあるとは思わなかった!脇道に入ると危険だからかな




▼ 常緑樹の中をグングン下って行く




▼ 下の方にくると竹林や沢が現れチョット荒れた感じに。沢には小さな堰堤もあった




▼ 最後は、こんな扉が出てきた(振り返って撮影)。この扉からすぐ先が集落




▼ 左側に通る車道に出る手前には、写真の他にも馬頭観音や供養塔、庚申塔があった




▼ 車道の向こう側、中央やや右にこんもりしているのが幣山らしい




▼ 近づいてみると こんな感じで、間違いない




「丹沢の行者道を歩く」―八菅修験の行者道②―(P.77)に

『 八菅修験春の峰三十行所のうち第5行所「滝本・平持宿」(塩川の谷、※「塩川の谷」参照)
 までは中津川沿いを進む道である。
  第2行所「幣山」(愛川町角田)は中津川岸にそそり立つ巨岩である。
 ここから平安末~鎌倉時代の経塚が発見されたように、古代から祭祀を行う聖地であった。
 石神社と幣山の間には文政年間の「是より登山制禁」と書かれた石柱がある。
 八菅修験にとってはこの聖地はダキニ天と俱利伽羅明王を祭る「幣山ダキニ天岩屋」であった。』

とある。(石柱には文政ではなく「文久」と刻まれていた)



▼ さらに右に回り込むと「石神社」の鳥居が現れた。奥に石段が見える




▼ 鳥居をくぐって左側の幣山の方を見る




▼ これが石神社




▼ 神社のすぐ左に「是より登山制禁」という石柱が。「文久」は1860年代初めだ




▼ 大木と岩がドッキングしている右横から、何とか上に行かれそうだ




▼ 頂上には「丹沢の行者道を歩く」78ページに写っているような巨岩はなかった。落ちてしまったのかな




▼ 山頂から中津川を見下ろす




どんな所か興味津々だった幣山を訪問できて満足だったけれど、
Rさんは、ぜひ幣山を中津川の対岸から眺めてみたいと言う。

ほんじゃまぁ付き合おうか~と、土手沿いに てくてくてくてく



▼ 土手から幣山集落を振り返る




▼ 途中から車道沿いで角田大橋に到着。橋上から中津川の上流を望む。半原高取山、仏果山、経ヶ岳などが美しい




▼ こちらは下流。左岸(向かって右)から来て、これから右岸(左側)で幣山の対岸までUターン




▼ 見えてきた。まん中の ひときわ濃いグリーン部分がそうだ




▼ こちらから目をこらして見ると、やや左寄りに石神社の屋根が見えた




▼ 田んぼにアオサギ(左)とダイサギ(右)がいた





気になっていた「幣山」がこういう所に、こういう形であるとは思っていなかった。
知りたかったことが分かるのは嬉しい。
ただ一つ残念だったのは、頂上にあった巨岩がなくなっていたことかな。

対岸から幣山を見るという発想は良かった!これはRさんに感謝。
幣山は対岸から見てこそ絵になると感じた。

それから、地図に記載されている幣山集落への破線の道が、
実際に歩いたルートと違っていたのが意外だったけれど、
これはロガーの軌跡がないと分からないことだった。

もしかしたら、もっと以前は最初乗った尾根を外れないで石神社まで
ストレートに下っていたのじゃないかなぁ・・・
などと勝手な推理をしてみるのも、また楽しい。





【 TI-AEK31さんへ 】


▼ 勝楽寺春の例大祭についての説明



▼ 幣山集落へ下る途中の小沢の堰堤









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Comments: 8

M-K URL 2012-03-10 Sat 16:12:28

シブッ! ヨイコッ!
はっぴーさんがこんな一面を持っているとは知らなんだ・・。
教養も何か滲みでているぞ?
俺はどうだ・・? 何もないぞ!
まっ、俺のカラーは何もないのがカラーだからイッカ~!

はっぴー URL 2012-03-10 Sat 18:15:22

M-K さん

シブッ!の記事に訪問&コメント、ありがとうございます m(_ _)m
最近、お天気と雪のせいか、全体的に皆さんシブくなっていますが
私のシブさにはかなわないでしょう!エッヘン!!
って、これ、威張るとこではありませんね~ (^^;

低地徘徊ウロウロを卒業して高地へジャンプしなくっちゃー!

MASAHIKO URL 2012-03-10 Sat 20:23:06

はっぴー姐さん、ご無沙汰です
角田大橋からの上流、仏果山&経ヶ岳
下流、やや右側に見える・・ちんさむロード(水道道)
中津川河岸段丘、
懐かしくて涙うるうるです、有難う御座います
幣山の上流にコンクリートの堰がありませんでしたか?
子供の頃の遊び場でした、
でもこの辺って40年以上前と全然変わっていないんですよ

田代半僧坊勝楽寺、夏祭りに
憧れのあの子と会いたくてドキドキしながら
参道を歩いていたのは遠い昔、いい思い出です

はっぴー URL 2012-03-10 Sat 22:00:27

MASAHIKO さん

中津川のこの付近、とても良い所でした。
な~んか、気持ちがのんびりしますね。

上流の堰は気がつきませんでした。
遊び場と分かっていたら、写真撮ってきたのに、残念です。

「あいかわ自然ネットワーク」というH.Pがあり、
『尾山耕地』という記事がありましたが、もう少し先になるようでした。
ご存知ですか?
http://aikawasizen.net/

夏祭り、盆踊り、いいですね~!
私にもそんな ときめきがありましたね。

TI-AEK31 URL 2012-03-16 Fri 06:28:37

里山のエンテイにときめきと伺って参上しますた。
いゃーいいですね里山。
チョット荒れた感じの沢に小さなエンテイがあったりして(ハァト)

ところでアネさん&MSHK師、
田代半僧坊で毎年4月中旬の土日に「美女まつり」
ってのを絶賛開催してるという未確認情報がありますが、
何かご存じありませんか?

ニカニカと重なるもんで調査に赴けず口惜しい思いをしております~

はっぴー URL 2012-03-16 Fri 11:36:46

TI-AEK31さん

春めいてくると、ますます里山の風景が魅力的ですね~
日本の春~って感じが大好きです。
田んぼやれんげ畑、ああ、もう飛んで行きたくなります♪

今回も写真が多く、「美女まつり」の説明板と堰堤写真、
涙でカットしましたが、お一人さまでもニーズがあれば
追加掲載のサービスをいとわない(笑)拙ブログです。

堰堤はお気に召されるか??ですが、どうぞご覧くださいませ。

TI-AEK31 URL 2012-03-16 Fri 19:00:46

おっと、さすがはアネさん、ご自分(=美女)のことは
ちゃあんとチェックしてらっしゃる!!
エンテイ写真ありがとうございます<(_ _)>
不揃いの丸石をセメント使って積んでるようですが、
何と申しますか、心がこもっているように拝見します。
いやぁ~美女もエンテイもホントにいいもんですね(ハァト)

御礼に、アネさんだけに本日当AEK31隊が入手した極秘情報をお知らせします~
http://mkorenoyamaasobi.blog.fc2.com/

はっぴー URL 2012-03-16 Fri 20:35:32

TI-AEK31 さん

貴重な情報、ありがとうございます。
これからが楽しみですね~

これまでに一度だけ「オバちゃんのような“きれいな人”は見たことがない!」
と言われたことがありますが、美的感覚があやしい?幼い女の子でした (^^;
でありますから、セールス・トークとしてちょうだいつかまつりまする(笑)

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